【小説】オリジナル/こみらび/ぴのもりさんとサンタクロース


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\ぴーのもーりさーん!/「でしゅー!」

今日も紳士なぴのもりさん。
「はぁぁ……。おこうちゃ おいしいでしゅね……」
紳士のたしなみとして、ティータイムは欠かせません。
「もう一杯、いかがですか?」
キノモリさんがポットを見せながら、ぴのもりさんに尋ねます。

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ぴのもりさんはアールグレイにミルクを入れ、角砂糖を2個入れるのが大好きです。
2杯目の茶葉も、同じように頂きます。
「1ぱいめと 2はいめのあじが かわるのが いいんでしゅよね」
なんとも優雅なぴのもりさん。今日もシルクハットはバッチリ決まっているし、ステッキ使いも素敵です。

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そのとき。
「ぽくも ごしょうばんに あずかりたいのだ……」
ありゅふりぇっどがやってきました。
「いいでしゅよ。ますたー。ありゅふりぇにも なにかおちゃを くだしゃい」
「はい。ありゅふりぇさん、なにをお淹れしましょうか」
「にほんちゃで おねがいするのだ」
キノモリさんは席を立ちます。

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しばらくするとキノモリさんが熱々の緑茶とお茶請けを持って現れました。ありゅふりぇっどはお礼をいいました。
キノモリさんちの大きな窓際。ドール用の撮影キットを作った一角で、二匹は茶飲み話を始めます。
「ぴのもりしゃんは さんたくろーすのことを どうおもう?」
外は雪が舞い始めていました。

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「そうでしゅね、いるんじゃないでちょうか」
ぴのもりさんはドール用の安楽椅子を揺らしながら外を見つめました。キノモリさんも視線を外に移します。今日はありゅとがバイトです。このまま雪が降っているのだったら、もうすぐ迎えに行かなければいけません。

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「ぽくには いるとはおもえないのだよ」
ありゅふりぇっどは 一口大に切られたようかんをもむもむと食べながら首を振りました。
「いつだったかは ぽくが みんなに ぷれぜんとを よういしたのだ」
「なんでしゅって?」

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ぴのもりさん、もとい、ぴのは、それはそれはがっかりしたのですが、今はぴのもりさんごっこの途中、顔に出さないようにぐっと堪えます。
「……さんたしゃんは いないんでしゅか?」
ぴのもりさんは確かめるように、ありゅふりぇっどに訊きます。それは、祈っているようでもありました。

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雪はますます、強くなっていきました。
ありゅとを迎えに行かなければ。
キノモリさんは、こみらび用のセーターと長靴、マフラーを準備し、お茶を飲んでいる二匹に家にいるよう、よく言い聞かせて、ばっと出て行きました。
二匹の間に、沈黙が訪れます。
「……さんたしゃんは……」

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「ざんねんながら……さんたしゃんは……」
外の雪は強く、ちょっと先も見えないくらいです。
積もる雪が音を吸い込み、静寂が家を包みます。
「そ、そんな……」
寒さと寂しさに押し潰されて、ぴのもりさんは泣きそうでした。

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……しゃんしゃん。
……しゃんしゃんしゃん。
外から、鈴の音が聞こえます。
こんな寒いのに、外でねこの集会でもやっているのでしょうか。
「ぴ、ぴのもりしゃん!」
ありゅふりぇっどが叫びました。ガラス戸に、なにか赤と白のモノが映っています。

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「ここに置いておくからね」
そう言うと、赤と白のモノ……人影は、なにかを置いていきました。
「ハイヨー!」
しゃんしゃんしゃんしゃん……。
気配と音が遠ざかっていきます。
ありゅふりぇっどとぴのもりさんは、急いでガラス戸を開けました。
そこには。

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綺麗に包装された箱が三つと、手紙が一つ、白い袋に詰めてありました。
箱はそれぞれ、ありゅと、ぴの、ありゅふりぇっど色です。
包装の紙の柄は見たことがないもので、この辺で買った物はないことが分かります。

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手紙の表には、小さな子やありゅふりぇっどにも読めるようにひらがなで「おうちのひとへ」と書いてありました。
「ますたーしゃんあてなのだよ……」
「でしゅ……」
二匹は顔を見合わせます。
ぴのもりさんはすぐに確認したくなり、トイレに行くふりをして変装を解き、ぴのになって戻ってきました。

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「ただいまー」
「さむかったじぇー」
一人と一匹が帰ってきましたので、ぴのとありゅふりぇっどは箱と手紙をキノモリさんに見せます。
三匹は、手紙をキノモリさんに読んで貰います。

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『おうちのヒトへ
よいこが三人もいるのを把握していなくて申し訳ない。
全世界の子供を把握するのが難しくて、たまにこういうポカがあるんだ。許して欲しい。
よいこたち。今年から、キミたちもプレゼントリストに入ったからね。来年もクリスマスをお楽しみに。メリークリスマス。
サンタクロース』

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「へっ? サンタっ? えっ?」
読んでいたキノモリさんが、なぜか一番に驚きます。
「ぽく、てっきり ますたーしゃんかと おもっていたのだよ……。ちがうの?」
ありゅふりぇっどが訝し気にキノモリさんを見ますが、キノモリさんは寝耳に水、といった様子で、本当に知らなそうです。

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「……さんたしゃんは……いる」
「さんたしゃんは、いるじぇ」
「さんたしゃんは、いましゅ……!」
三匹は顔を見合わせますと、バンザーイ!と喜びの声を上げて、妙な踊りを始めました。
さんたしゃんは いる。
さんたしゃんは いる!
さんたしゃんは いる!!

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散々踊ってから、三匹はそれぞれ自分の色の箱を持って、キノモリさんにキラキラおめめで開けてもいいか尋ねます。
キノモリさんはちょっと考えて、スマホで日付を確認しました。
そして、一言。
「あ。やっぱり。サンタさん、日付間違えてる」

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「じゃあ、ぽくは ほんとうのくりすますまで まちましゅ」
ぴのはえへんと胸を張りました。
「ぽくは しんしでしゅから」
「それは ぴのじゃなくて ぴのもりしゃん だじぇ?」
「ぴのは かわいいけど、しんしでは ないのだよ」
二匹に言われて、はっとしたぴのは
「ぺへっ」
と急いでごまかしました。

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夜、三匹が寝静まって。
控えめな大きさのクリスマスツリーの下に三つの箱を置いたキノモリさんは、一人ホットミルクを飲みながら、窓の外を眺めました。
雪はやみ、キラキラ光る星空。
金色の流星が、鈴の音とともに流れていきました。

『ぴのもりさんとサンタクロース』
おしまい。

『ぴのもりさんとサンタクロース』


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