【小説】オリジナル/こみらび/お風呂に入ろう


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 ぺろぺろ。
 ありゅとが毛繕いをしています。
「ますたー。みみのほうやってくりぇ」
「あのさ、お風呂入ろうよ、ありゅと」
 キノモリさんがそう言うと、ありゅとはすっくと立ち上がり、部屋の隅においてあるキノモリさん謹製のアスレチックへ、すたこらさっさと逃げました。
「あっ、こら。ありゅと」
「つかまえられるんだったら、おふりょはいってやるじぇー」
 むむっ。
 なら、絶対捕まえて、お風呂に直行してあげようじゃありませんか。
「こらっ、待てー!」
「へへーん! こっちだじぇー!」
 あっちの穴からひょいっ、こっちの穴からひょいっ、かと思えば、綱をすてててて、と渡って、とありゅとはすばしっこく逃げます。
「わっ、わわわっ! ちょっとありゅとっ!」
 キノモリさん、大慌てです。
「だれもおりぇをつかまえられないじぇー!」
 調子に乗るありゅとに、
「そうでもありましぇんよ」
 べちこーん!
 ぴのの強烈な『べちこーん』がお見舞いされました。
「きゅう……」
 ありゅとがぺちん、と音を立てて突っ伏します。
「ナイスだけど、ぴの……。ちょっとやりすぎだよ……」
「ぺへっ」
 キノモリさん、ありゅとの首根っこをつまんで、バスルームに。
 ぴのもそれについて行きます。
「やだじぇー! やーだーじぇー!」
「はいはい。すぐ綺麗になるからね」
 ガスのスイッチを入れて、シャワーを出し、温かくなった頃合を見て、洗面器にお湯を溜めます。
 そこに、ありゅとをぽちゃん。
「ふぎゃぁぁぁぁぁぁあ!」
「ね、気持ちいいでしょ?」
「ますたー。ぽくもぽくも」
 いいよ、一緒に入って。
 キノモリさんの言葉に、ぴのは洗面器の中にちゃぷん、と浸かります。
「はあぁ、いいおゆでしゅー」
「ほら。ぴのはいいお湯だって。ありゅとは我慢できないの? お子ちゃまだからなー」
「おっ、おりぇだってっ……。がまんすりゅもんね……っ」
 つり上がった目を涙で潤ませながら、ありゅとがぷるぷるします。
 そうだね、いい子だね~。
 キノモリさんはそう言いながら、ベビー用ボディソープを丁寧に泡立て、ありゅとを優しく洗います。
 隣で、ぴのが見よう見真似で自分の全身を洗っています。ぴのはよくお風呂に入りますし、こみらび用のお手入れグッズも作っておいてあるし、大丈夫でしょう。
「ほら、ぽわ毛がかなり汚れてるよ」
「じゃあ、ぴかぴかにしてくりぇ!」
 はいはい、ピカピカにしてあげるからね~。
 汚れが泡から出なくなったところで、「目を瞑ってて」と言い聞かせ、上からお湯をたっぷりかけました。
「ありゅと、拭いてあげるから、こっちに来て」
「うぅう、はやくしてくりぇ!」
 ゴシゴシゴシゴシゴシ……
 ブゥワー……
 ありゅとの全身を拭いて、軽くドライヤーをかけてあげます。
 出来ました。
 うん、綺麗。
「ほら。ありゅと、いつもよりカッコいいよ」
「ほんとなんだじぇ?」
 ぱあぁ、となるありゅとに、キノモリさんはうんうん、と笑いながら頷きます。
「カッコいい、カッコいい」
「おりぇ、かっこいい! さすがだじぇ!」
「毎日お風呂入れば、毎日カッコいいんだけどなー」
 キノモリさんが言いますと、
「じゃあ、かっこいいおりぇは、まいにちおふりょはいるじぇ! ますたー、よろしくだじぇ!」
「うん、ヨロシクね」
 ありゅとが鼻歌を歌いつつ、バスルームを後にしました。
「……ありゅとはたんじゅんでしゅ」
「だね」
 キノモリさんが苦笑いして、その後姿を見つめます。
 ありゅとの妙な踊りが、今日は冴えている気がしました。

おしまい


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