【小説】岩男X/My fair_Angel!LV.00『まだ、目覚めない』


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 どこだ、ここは。
 オレは辺りを見回した。
 朽ちた配管、錆びた壁。
 そして、冷たい空気。
「ああ、思い出した」
 また、この夢。
「待ってたよ」
 そう。現れるのは、少年だ。
 茶髪で、緑の瞳をした、無垢な少年だ。
「ゼロ……」
 懐かしい声で、懐かしい眼差しで、オレを呼ぶ。
 そんな眼差しを向けるな、その声で呼ぶな。
 思い出せない。
 CPUが、ショートしそうに痛いんだ。
「どうしたの、ボクだよ」
 とても大切な気がするんだ。
 でも、思い出せない。
 お前は誰だ。
「思い出して、ゼロ! ボクだよ、……だよ!」
 聞こえない。
 もう一回、もう一回だけ言ってくれ、お前の名前を。
 今度こそ。
 今度こそは、必ず……!
「ああ……。また、届かない……」
 言ってくれ!

「……夢、か」
 飛び起きて、辺りを確認する。
 白い壁、机、イス、ベッド、シャワールーム。
 ハンター候補生用の一人部屋。
 いつもの部屋だと確認して、オレはうなだれた。
 少年を思い出そうとしても、輪郭すらボヤケる。
 あの少年はなんなんだ。
 オレたちレプリロイドは、無駄な夢は見ない。必ず、過去の記憶である筈だ。
「また……」
 訊けなかったな、名前。
 オレは深く呼吸をして、ヒートしたCPUを冷やすと、肩に落ちた髪を振り払った。
 あの少年に、会いたい。
 名も知らない、姿すらはっきり思い出せない、あの少年に。
 お前の名前を、知りたいんだ。

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To be continued…


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