【小説】岩男EXE/inter_weB AnotherSite『雨だね。』


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>>【小説】岩男EXE/inter_weB AnotherSite『だからボクはパパを追いかける』
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「雨だね」
ずーっと降る雨を見て、熱斗はつまらなそうに頬を膨らませた。
今は梅雨。ずっと雨が降る季節。
「うー。でんでんむしさんなんか嫌いだ」
「でんでんむしさん? なぁに、それ?」
あ、そっか。
熱斗はそう呟くと、図鑑を持ってきて、ボクの傍で広げてくれた。
「彩斗クン、これがでんでんむしさん。雨降りのときに、よく出てくるよ」
「ああ、だから熱斗は、このコが嫌いだなんて言ったの。可愛いのに……」
梅雨は好き。
雨が降れば、熱斗はずーっとボクの傍にいてくれる。
「熱斗、遊ぼう」
あめあめふれふれ。
ざーざーふれ。
「うん」
ボクと熱斗を、もっともっと一緒にいさせて。
お願い、でんでんむしさん。

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「おい、エグゼ! エグゼってば!」
はっと気付き、ボクは飛び起きた。
「よ、よかったぁ! いきなり倒れたから、心配したんだぜ!」
『……そうか、ボク……』
電脳世界の、謎の思念体にやられて、身動きが取れなくなって。
それで、昔の記憶を。
「……どした?」
『ううん、なんでもない』
熱斗。
あの頃は、晴れの日が怖かった。
でも今は。
『どんなことだって、怖くないよ』
きっと、ボクは何でもできるんだ。
キミが、いてくれるから。


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