【小説】オリジナル/こみらび/ぴのもりさんと年越しそば


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1.
12月31日。
みんなが寝静まった深夜、ぴのはいそいそと起き出しました。
外では除夜の鐘が鳴り始めています。
「……でしゅ」
ぴのは、いつもは隠しているシルクハットとステッキを装着してぴのもりさんになり、鍵置き場からおうちの鍵を拝借しまして、紳士的なかばんを持ち、外に出ました。

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2.
北風は容赦なく、ぴのもりさんに冷たく当たっていきます。
ぴのもりさんは負けないように、一歩ずつ、確実に歩いていきます。
目指すはおそば屋さんの『はなまるそば』さん。
そう、ぴのもりさんは、どうしても年越しそばが食べたかったのです。

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3.
はなまる商店街のほうに向かいますと、今日は終日営業のお店がちらほらありました。ご利益がある神社が近いからでしょう。おそばの老舗、『はなまるそば』も終日営業をする店舗のひとつです。
ぴのもりさんは、アゲハエリアにあるお店に、ちょこちょこと歩いて向かいます。

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4.
『無口な群衆、息は白く、歴史の深い手に引かれて』。歌ったのは誰だったでしょうか。行き交う人は寒さゆえか、みな無口で、息は白く流れます。平成最後の大晦日。歴史の転換に引かれるように急ぎ足な群衆とは逆の方向に、ぴのもりさんは歩いていきます。
「ひえましゅね……」
ぴのもりさんは呟きました。

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5.
『はなまるそば』が見えてきました。店内からこぼれる、暖かくて黄色い光に言いようのない郷愁を感じて、ぴのもりさんは思わず急ぎ足になります。
「ああ、ぴのちゃん」
辿り着くと、オーナーさんが出迎えてくれました。

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6.
「ぽくは ぴのもりしゃんでしゅ。ぴのとは べつじんでしゅよ」
ぴのもりさんが言いますと、オーナーさんは「そういうことにしとくね」と笑いながら答えてくれました。歴史の変わり目というのは、人を狂わせるのでしょう。ぴのもりさんは複雑な気持ちになりました。

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7.
「てんぷらそばを おひとつくだしゃい」
ぴのもりさんが注文しますと、オーナーさんはぴのもりさんをこみろんらびっと用の椅子に座らせ、厨房に入っていきました。
そばつゆのいい匂いが漂ってきます。除夜の鐘が、おそばの出番をカウントダウンしているようでした。

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8.
「はい。お待ちどうさま」
ぴのもりさんのところに、天ぷらそばが配膳されました。ここの天ぷらそばのえびはとても大きく、プリプリなのです。
「いただきましゅ」
ぴのもりさんは出して頂いたフォークを持ちまして(だって紳士はフォークとナイフでしょう?)、熱々のうちに天ぷらそばを頂きます。

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9.
はふはふ。はふはふ。
おそばとえびを交互に食べ進めていきます。そばつゆが衣にしみこんだ天ぷらは絶品です。
やっぱり、きてよかったでしゅね。ぴのもりさんは心の中で大きく頷きました。
ラジオは第九を流しています。歓喜よ、美しき神々の煌めきよ。

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10.
「ああ、ぴのもりさん。雪が降ってきたねぇ」
オーナーさんが窓の外を指しました。ちらちらと舞う雪が見えます。どこかから、ハッピーニューイヤーと聞こえてきました。年が明けたようです。
「あけましておめでとう。いい年になりますように」
「でしゅね」
彼らは笑って挨拶を交わしました。


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